この記事は、山形のとびきりそば(小川製麺)を食べた感想を書いている記事です。
実感できるとびきりののどごし、弾力、コシをたのしめます。

とびきりそばの口あたりのよい理由は、山芋がねりこまれていることです。
山芋と粉を混ぜあわせることで、体験したことない食感のそばにしたててあげています。
ただ、そばの風味は、とぼしい、と思いました。ぷ~んと香る、素朴な香りはほとんど感じませんでした。
貴族的ともいえる上品な口あたりなそばなのは間違いありません。
そばの香りをえらぶか、乾そばのなかでトップクラスの弾力とコシをえらぶか、悩んでください。
とびきりそばは、乾燥そばです。150gをゆであげると大人ひとりの空腹を、十二分に満たしてくれるほどの量になります。
山形のとびきりそば実食レビュー

とびきりそばは、そばの外皮をも混ぜこんだ実直な色あいです。
ところどころ、そばの外皮の一等星が浮いています。
そばの角がぴッと直立しています。弾力とコシの強さが期待できる直角です。

水でしめたとびきりそばは、思春期の肌のようにみずみすいく、活きがよく、そして、充実しきっています。
とびきりそばの長さは、15cmほどです。つるりと一口ですすりやすい長さです。
山芋のねばりを含有しています。山芋の成分が、表面をなめらかにしているのでしょうか。油断するとお箸からすべりおちるほどに俊敏。
口をすぼめ、すッと息をすうと、つるッと口中にはいってきます。
唇のうえを、氷面をすべるように音をたてずにすすりこめます。
なめらかがすぎるので、ブレーキがきかずに、のどにつまる可能性たかし。くれぐれもご注意ください。
とびきりそばを噛むと、そばにあるまじき、飛び跳ねるような弾力とコシ。
そばを噛んだところが、ぶりッんと跳躍し、グルテンが結合した確かなコシは、がっしりと音が聴こえてきそうなほどに堅固。
とびきりそばの弾力とコシは、乾そばのなかでもトップクラスなものです。1時間ほど放置してもあまりのびていませんでした。
とびきりそばは、お弁当にもっていくのにもよいと思いました。
とびきりそばを噛むと、粉にはない清浄で奥行ある風味がしみでてきます。
おそらく、この謙虚ともいえるおっとりとした味わいは山芋由来のものでしょう。
山芋は、のどごしと弾力をつよくするだけでなく、とびきりそばの風味を二次元なものから、三次元なものへと転化させています。
とびきりそばは、極上ののどごしと弾力とコシ、山芋の風味を体験できます。
ですが、そばがもつ純朴ともいえる風味はとぼしいです。そばらしい色をしていますが、そばの香りは弱いです。
そばの風味を純粋にたのしみたいかたには、おすすめできません。
一方で、そばののどごしと弾力、コシをたのしみたいかたには、自信をもっておすすめできるそばです、山芋のとびきりそばは。

とびきりそばは、温かいおつにいれても弾力とコシは健在です。
のびにくい山芋のとびきりそばです。ゆっくりと温かいそばをすすれます。
山芋のとびきりそばレシピ例

山芋かけ。
外と内から山芋の風味をたのしめます。

大根おろしとカツオ節。
山芋の風味のあるとびきりそばです。清潔な刺激の大根おろしと、旨味の塊のカツオ節だけでも食べられます。ちょいと醤油をたらしてもおいしいです。

納豆。
納豆のねばりすらも、するするとすすれる、そうはなりませんでした。

明太子。
パスタよりも、とびきりそばのほうが和の味にちかづきます。
辛い明太子と洗練された口あたりのそばの邂逅。

サラダそば。
たっぷりの野菜といっしょに。食物繊維をさらに摂取できます。
ごまダレ、くるみダレとの相性がよいです。ちょいとワサビをしこむのも乙な味わいになります。

わかめ。
わかめのヌルヌル感と、山芋のねばりの同盟。
海と山の合体。ぬるりと新しい味わいの扉がひらきます。

天ぷら。
ぱりっとした天ぷらの衣と精妙なのどごしの合わせ技。
ゆるやかに衣の風味が溶けだしたおつゆと一緒に、とびきりそばをすする満ちたりたとびきりの幸せ。

とびきりそばのうえに、月を浮かせました。
月に、とびきりのお願いをしましょう。