コストコで売られている凄麺の『 辛旨セット 』を食べた感想を書いています。
- 奈良天理スタミナラーメン
- 広島汁なし担々麵
- 名古屋台湾ラーメン
- 中華の逸品酸辣湯麺
- 中華の逸品麻辣担担麺
- 夏の辛味噌ねぎラーメン
夏限定、個性ゆたかな、しっかりと辛く、それでいてきっちり旨く、そしてかぎりなく生麺にちかい、いや麺をこえた凄麺6種類をたのしめるセットです。

麺マニア垂涎の的であるノートつき。

凄麺の作り方は、かやくをいれる。あといれタイプのかやくもあります。
しっかりと確認してください。
そして、お湯をそそぎいれる。スープをあとからいれ混ぜあわせれば出来上がりです。
凄麵は、ひとつひとつ麺をかえているように感じました。お湯をいれてから待つ時間がちがいます。
待ち時間もしっかりと確認しましょう。凄麵はのびにくいノンフライ麵です。ちょっと待ち時間をオーバーしても大丈夫だと思います。
凄麵のフタには、ちょっとした情報が書かれています。これがあたなも麺通になれちゃうかも。
その①の記事はこちら。
その②の記事。
奈良天理スタミナラーメン


凄麺は、麺がすごいだけでなくスープが凄いのはもちろんこと、具、トッピングもカップラーメンとは思えないほどに凄いんです。
しっかりと肉厚の白い白菜が、赤い液体に浮かびあがっています。
白菜の一夜漬けのような新鮮な香りが、鼻に飛びこんできます。白菜の芯が熟したような爽やかな酸味もあり。
白菜と辛い液体。日本の漬物界の赤い黒船を想像します。けれども、白菜は一夜だけ干したように、しっかりとした歯ごたえをのこしています。
白菜を奥歯で噛むと、しゃきッと音が勃起するほどの鮮烈な歯ざわり。そして、白菜が果肉にたくわえている甘さをふくんだおつゆが飛びだしてきます。
スープは赤い、けれども淡麗。にごりのないチキンスープのように淡旨で、たいへんにさっぱりとしたスープです。
そして、ラー油によくにた、油に辛みをうつしたようなシャープで清浄な辛味があり、飲みおわったあとの口のなかには軽妙な辛味だけがのこります。
辛さはひかえめ。もちろん辛いですよ。けれども、白菜の滋味ともいえる甘味がスープにひろがっており、こなれた辛さになっています。
ただし、粉末状の唐辛子が舌にはりつくと、しっかりと辛いです。

麺は、細め。
舌ざわりは、たいそう精妙で滑らかで、ひょいとすすりあげられます。
白菜の爽と唐辛子の辛をしっかりとまとっています。
水分をしっかりと飛ばしているので、細いけども密度がこく噛みごたえはあります。
広島汁なし担々麵


6種のなかで、唯一のスープなしの凄麺です。
すっぱい香りが鼻に飛びこんできます。広島の名産であるレモンの香り、さらに花椒と胡椒のような刺激的な香りもあるように感じました。
そして、日本人におなじみのゴマやネギたち。麺にかかすことのできない香りもしっかりと確認できます。

麺は、がっちりとマッチョな印象です。
麺の表面が溶けておらず、しっかりと粉末をキャッチしています。
麺を噛むと、さくりとした食感。麺の内側はやわらかく、中心部はすこし小麦が圧縮されており、しっかりとしたコシを感じられます。
また麺のなかには、あえかに小麦がもつ甘味あり。
麺の表面につくスープの存在は、しっかりと実感できます。けれども、チカチカと辛くなく、じんわりと浸透してくる辛さです。
麺を食べすすりにつれ、じんわりと頭皮に汗をかく辛さでした。
また、辛さの種類は、酸味をふくんでおり、舌がシビれる、そのような辛さで爽やかな印象もうけます。
シビれのおかげで、ふきでた汗がつめたくなり、体温がすこしさがる、そんな感覚をおぼえました。
名古屋台湾ラーメン


かなりドぎつい色のスープです。
花椒の活き活きとちからづよい香りを感じとれます。さらに、坊主が食すと元気になりすぎて修行のさまたげになるといわれているニラの若々しく元気な香りもあります。
スープの口あたりは、気品たかく、さらりと淡麗。辛さひかえ。
辛さのおかげで、シャープな口あたり。
その辛さのしたには、豚骨おおめ、鶏すくなめ、弱火でコトコト煮て、アクを徹底的に排除した見ためからは想像できないほどに繊細な旨みがあります。
シャープな辛味、そして、動物的な旨みとならんだあとに、なぜか最後に味噌の風味がやってきます。
八丁味噌のように、こってりと熟し、腰のすわった落ちついた味わいの風味。
見ためほどに辛くなく、しっかりとした旨みを堪能できる一杯でした。

麺は細めで、舌ざわりは柔らかめ。
赤いスープをまとった麺の表面は、柔らかく媚びるようになめらか。
麺の表面の噛みごたえは、ふわりと柔らかいです。麺の中央には、バネのように充実した弾力とコシがあり、噛んだあとの麺一本一本が口のなかを跳ねまわります。
中華の逸品酸辣湯麺


ちょっとお高い中華料理屋さんで提供される辣湯麺となんらかわらないのではと思いました。
こいつをちょいと瀟洒な器にいれて提供すれば、魯山人ですらインスタントと気づかないかもしれませんぜ。
見ためが、まず豪奢。卵の黄色を花のように浮かべ、ちょいと高級食品であるところの黒いキクラゲをいれ、その黒と対比させるように凄麺こだわりの豆腐をうかべ、さらに青い色どりもしっかりとそえています。
スープの香りは、壺にいれ陽光にあて熟成させた黒酢のように、角がまろく、つんつんしていない酸味がつよいです。
スープを飲んだ印象は、辛いよりも、酸味がつよく、あとからゆっくりと辛くなります。
酸っぱいと思っているといつのまにやら辛くなっているような、ひとつの器で酸と辛を堪能できるんです。
さて、スープの出汁は、オーソドックスな鶏にくわえ、干しシイタケや干し貝柱から抽出した高雅な旨みをくわえた中華らしい真っ当なスープです。

麺は、手延べ麺のように細く、気品にみちた見ため。
麺をすすって感じたのですが、スープにはかるくトロみがついています。そのおかげで、麺に極上のスープがしっかりとからみつきます。
また、トロみのおかげで、熱を逃がさず、熱々のスープを堪能できますが、火傷にはご注意を。
ソーメンをすこし太くしたような流麗な舌ざわり。ねられた弾力とコシはあります。けれども細いので弾力とコシの実存度はひくめです。
ただ、凛然としたスープに、この清楚な麺はよく調和していると思いました。
仙台辛味噌ラーメン


仙台味噌に豆板醤をいれたオレンジ色のスープ。
赤い油の粒がうき、そして、青ネギがモネの睡蓮のように散りばめられており、麺の中央には富士山のようにモヤシが屹立しています。
このモヤシは、食感が残っています。パリッと水水しいです。モヤシがいれられているカップ麺はめずらしいと思いました。ただ、すこしだけ欲を言うならば、もう少し太く長いもやしにしてもらえると。
ニンジンの印象はうすいです。
仙台味噌をうすくのばしたようなスープは、味噌の熟成した塩っけを感じます。それから、タマネギや青いネギなどを混合した甘味を感じます。
そして、スープを飲み、スープの熱が胃におさまると同時に、頭皮の中央やオデコから汗がじんわりとふきでてきました。
ガツーンとすぐにくる辛さではありません。味噌と野菜にくるまれているけれども、腰が強く一歩一歩づつ昇ってくる辛さです。

ストレートにちかい麺です。麺のいっぽん、いっぽんが独立しています。
タピオカ粉をいれたように、噛むたびにプルンっと跳ねる麺でした。辛さに負けていない、腰の強い麺です。
夏の辛味噌ねぎラーメン


赤い液体がただようオレンジ色のスープ。
そのスープから、緑色の元気なネギの香りが、雨後のタケノコのように突きだしてきます。
フリーズドライされていたネギが、スープにひたり、悠遊と手足をのばしくつろいでいます。
くつろぎながらも、ネギはしっかりとした食感をのこしており、油断すると奥歯に繊維がはさまりこむ、それほどに健康な食感です。
あと、ニンニクの腰のつよい香りもあります。元気でますよ、このスープを飲めばと主張しているようです。
ネギとニンニクを焦がしたような香りがあり、口あたりは痛快。
味噌なのですが、鶏と野菜を煮た鍋にすこし味噌をくわえたような味わいで、味噌感はひかえめ。
野菜をたっぷりと煮た西洋のスープのように湿潤に飛んだ味わいがあります。
それが、すぎさると赤い流星が、口中に落ちたように辛味がひろがります。
辛さは、赤い液体調味料のいれる量で調整可能です。すべてをいれるとかなり激辛さんになります。

麺は、やや幅広。麺の中央はすこし透明に見えるほどにしっかりと水分を飛ばしています。
むっちりとした質感のある麺です。すするのにパワーがいるほどに充実した手ごたえある麺。
麺を噛むと、その場で爆ぜる、そのように感じられるほどにグルテンをしっかりとひきだしている麺です。
野菜を食べて、汗をかき、しっかりとアゴをうごかし、エネルギーを注入してやったと満足できる一杯です。
スープのできは、どの凄麺の上塩梅です。
捨てるのがもったいないと感じられたかたは、麻婆豆腐や煮卵につかうと愉快に辛い料理をつくれます。

