この記事は、ピエトロ・PIETRO パスタソース4種を食べた感想を書いています。
食べて書いたパスタソースは、 絶望スパゲティ・贅沢うにクリーム・蟹と蟹みそのスパゲティ・なす辛 なすとひき肉の辛味スパゲティです。
レストランの味を袋を開けるだけで自宅で愉しめます。
レトルトのパスタソースにかんじられるチープな印象は、まったく、ちっとも、これっぽちもありませんでした。
まさに、パスタソースの袋をあけた瞬間、そこがピエトロ。
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絶望スパゲティ

オイル系のパスタソースです。
さらりとしたオイルです。
香りは、アジにパン粉をつけてフライにしたような、こうばしい香りがただよっています。
ごろりとスパゲッティから転がり落ちそうな、おおきいイワシの身がはいっています。おそらく、イワシだと思いますが、魚肉がぶ厚くサバかアジではと思うほどです。
揚げたように、ぱりッとした食感の皮。魚肉はむっちりと張りきり充実した食感です。
食べた印象はベーコン。海のベーコンといってもよいほどに旨味が芳醇です。
満ち満ちた魚肉を噛むと、タマネギとニンジン、ちょっとだけニンニクの風味が、歓声をあげて飛びだしてきます。
あと、トマトソースではありませんが、トマトの味がしこまれているように思いました。
グルタミンの旨味がソースぜんたいに行きとどいています。
魚肉の細胞のひとつひとつに旨味がしみこんでいました。魚肉を圧力鍋にかけたように、しっかりと野菜などの風味がしみわたりきっています。
むっちりとした魚肉を噛むと、そこはかとないほろ苦さ、そして、とつぜんに針で舌を刺すような辛味が飛びだしてきます。
はじめのうちは、波間をただようような、ゆっくりとした辛さです。けれども、獲物を見つけた瞬間におそいかかる肉食魚のように猛烈な勢いで辛さが舌をつんつんと刺します。
舌からしみこんだ辛さは、胃を刺激し、頭皮の中央から汗をふきださせ、体温をすこし上昇させるような辛さです。
絶望のそこに、辛さがあり、その辛さは、パンドラの箱にのこっていた希望だったのです。
絶望したときでもペロリっと食べられる絶品パスタソース
贅沢うにクリーム

うにの馥郁たる香りが、たちのぼっています。
おそらく、乳製品と混ぜられたうにソースだと思います。ところが、うにの香りのほうが強いのです。
西洋料理の根源ともいえる乳製品よりも、うにの香りのほうがストロングなパスタソースです。
清潔な海岸にたったときのように、磯臭さ、ヨード臭はありません。ほがらかな母なる大地と穏やかなな日光につつまれたような心地よい空気。
あくまで清澄にして、濃密な気配をただよわせるゴージャスな香り。
うにが、嫌いなひとは食べられないほどに、うにの主張がつよいです。うにが嫌いなひとは手にとらないと思いますが。
うにの風味が好きなひとは、口角をあげ、ニッコリと微笑むほどに溢れかえっているうにの味。
そのうにの味は、生よりも濃密。うにの風味に溶けこんだであろう乳製品が、いい仕事をしていますね。
パスタ一本一本が、ウニと化したように、ねっとりと媚びるように妖艶に濃く厚いふところ。
うにのもつ自然な味わいを壊すことなく、乳製品が旨味を精緻に組みあげ、味わいの奥行をひろげています。
うにの美味の極北星ともいえる味わいです。
うにソースには、海苔がついてきます。濃密すぎるほどにうにの風味がつよいです。
食べていると飽きてくるひともいるでしょう。海苔や黒胡椒が、うにソースにはよくあうと思いました。
生よりもゴージャスなうにパスタソース
蟹と蟹みそのスパゲティ

蟹の鮮やかな赤い甲羅を、焼いたようなこうばしい香りが皿のうえにひろがっています。
白い湯気に、赤い蟹の分子が混ざりこみ、目のまえで蟹の胴体を焼かれているようにすら感じられました。
蟹のねっとりとしたミソに、トマトとタマネギ、白ワインをくわえ、コトコトと煮たようなかぐわしい香りもあります。ちょいっとニンニクとチーズもいれているかもしれません。
赤いトマトと蟹がみごとに溶けあい混ざりあい、あたらしい赤いソースが誕生しました。
トマトの水分をしっかりと飛ばしきり、旨味をぎゅッととじこめたソースに、蟹の緑のミソや、白い果肉を混ぜこみ煮込んだような異様に味わいがふかく、そして、旨味がよくのびます。
旨味は、蟹が透明な泡をだすように、蟹とトマト、野菜、香草などが溶けあった豊満な味わいの泡がいくつもいくつも口中ではじけます。
蟹の白い果肉のような口あたり、歯にすこし挟まる蟹のすじ。ほんとに蟹をほじって作ったのだなと破顔一笑しました。
赤い蟹とトマトの旨味が、赤く爆発するパスタソース
なす辛 なすとひき肉の辛味

牛肉とトマトソースのパスタソースにありがちなチープな匂いはまったくしません。
しっかりとトマトと牛肉でつくられたパスタソースの香りです。
おおぶりのなすが、たっぷりとはいっています。
なすの皮は揚げられたのでしょうか。黒真珠のように輝いています。
なすの果肉は、舌のうえにのせるだけで淡雪のごとく溶けます。
果肉からしみでたおつゆには、飾り気のない自然な風味あり。トマトやニンニクなどの旨味、なにかしらのハーブの香りがおっとりとしみでてきます。
お肉は、すくなく、ちいさいと思いました。しかし、しっかりとした噛みごたえがあるのです。
また柔軟のなすといっしょにすることで、ひき肉のむにむにとした食感がきわだつのです。
辛さは、悠遊とやってきます。辛さのおかげで、ソースの味わいはシャープになり、後味もくどくありません。
なすとひき肉、辛味のバランスが精妙にして絶妙なパスタソース
