この記事は、イタリアットのパスタソースを食べた感想を書いています。
本場イタリアで愛される食材、それもちょいと高級で瀟洒な食材をくわえたパスタソースです。
パスタソースそのものの味付けは、豪華な食材の持ち味をいかしたシンプルだけど味わい深く奥行きのあるイタリアの歴史のような味をしっかりと堪能できます。
かけるだけでのパスタソースです。パスタだけでなく、そのままリッチなソースとして利用できます。

オムレツなどの料理にかけるだけで、いつもの料理のステージが上昇します、確実に。
通をうならせるトリュフやポルチーニ、からすみの味わいを実感できるパスタソースです。
いつものパスタソースにあき、もっと本格的なイタリアの味を、できるだけ気楽に楽しみたいかたにオススメのイタリアットのパスタソースです。
トリュフクリームソース

ソースはオイルのように滑らか。まるでスープのようです。
スープパスタよりも、すこし粘度はありますが、ほぼスープパスタと思ってもらっても問題ありません。
トリュフの香りになれていない日本人は、トリュフの存在にたじろくことがあります。
腐葉土が密集しすぎたとでもいいましょうか。木の根っこの陰の匂いとでもいいましょうか。
そのトリュフの香りはひかえめです。トリュフのグッドなエッセンスだけを抽出した洗練されたノーブルな香りが充満しています。
生クリームのように、乳牛の栄養素たっぷりといいたくなるクリーミーなソースのなかに、黒い香り、とくに西洋人が重宝するトリュフの香りをしかと実感できます。
それは、すこしキノコを炭火で炙ったような原始的な香りでありながら、どこかシャンデリアの煌めきのしたで輝くお皿のうえにのっている黒いダイヤのような雅な香りです。

ソースを口にふくむと、まるで黒いトリュフが、白いポップコーンのように爆ぜたように旨味が四方八方に飛びふくれます。
まずは黒い旨味が結晶した衝撃、ついで柔和な白い乳牛の風味がゆっくりとひろがります。
不思議なことに、ラジオのボリュームをひねるように、旨味はゆっくりと消えていき、最後には口のなかが大変さっぱりしているのです。
ついで、ソースをまた口にふくむと、月にむかって跳ねるような黒い旨味が再びやってきます。
食べていて飽きない、それでいて、一口一口に、くっきりと旨味を刻みこんでいくルネッサンス時代の彫刻のように芸術的で絶妙な味わい。
イタリアットのパスタソースは、パスタソース界のルネッサンス。
ポルチーニクリームソース

パスタソースの粘度は、カルボナーラよりもすこしソフト。
湿潤なパスタソースは、しっかりとパスタをおおいつくします。
ポルチーニの香りといわれても、ぴんッとこない日本人のほうが多いと思います。
松茸でもなく、椎茸でもなく、しめじでも、なめたけでもなく、ポルチーニとしかいいようのない明るいキノコの香りです。
松茸をすこし陽気にして、椎茸などのキノコを乾燥させた旨味を絶妙にブレンドした味わいとでもいいましょうか。
そして、なによりも、栽培されたキノコには感じられない、パワフルな天然の活き活きとした元気な香りが充満しています。
白いパスタソースのなかから、直立するようなポルチーニの強い香りが勃起していえるのが見えるような、それほどに輝く香り。

牛乳がつかわれており、バター系の味わいかと思いきや、チキン系の風味が強くあるように感じました。
ふしぎなことに、チキンとポルチーニが出会うことで、チキンの味わいがあい鴨にもよく似た、いや、天然の地球を飛びまわる渡りどりの鴨のような豊熱する味わいへと転化しています。
ソースを一口でふくむだけで、食べたあいてをねじふれるほどの力づよい旨味の羽ばたき。
油分はひかえめで、旨味はある、けれども、さらりとしており、後味は淡麗。
鴨肉とポルチーニを一緒に炒めたような豪華な味わいを堪能できるパスタソースです。
からすみとバターのクリームソース 実食レビュー

わかりやすいパスタソースです、日本人にとって。
バターと魚卵が産みだす堅実でありながら、からすみを使うことで味わいを洗練させ、エレガントさをまとわせたゴージャスな香り。
魚卵のぼんぼりのように明るく、柔らかい香りはあります。その香りに注目すると、熟している。熟成することで、醸し出される魚卵の厚みともいえる風格がしっかりと感じられます。

パスタソースは、あまり水分でのばさずに、純粋無垢なバターの白い旨味と、魚卵の風味のふたつで舌をたのしませようという試み。
その試みは十二分に成功しています。パスタの表面にしっかりとからみつく、死してなお生命力を感じさせてくれるボラの卵の質感。
そして、広大な大地に放牧し野草をたっぷりと食べさせた乳牛からしぼりだす芸術的ともいえる油分ひかえめな白い旨味が魚卵をおおい、口あたりは優雅。
日本人が、もっとも親しみやすいイタリアの高級食材をつかったパスタソース。


