西村商店の伊勢古里屋の伊勢うどんを食べた感想を書いています。

日本一やわらかいうどんのひとつをおうちでたのしめるセットです。
ふとく、もっちりとした存在感のあるうどん。
うまみたっぷりの甘めの醤油だれが絶品。
1食の値段は税込377円です。
すこし高い、と感じられたかたもいらっしゃるでしょう。
けれども、1食分のうどんの量は250gと大容量。たれは30gとたっぷり。

うどんはたっぷりのお湯でゆでると、ちぎれにくいです。
また、はじめのうちは、うどんは密集しており、雑にほぐすとブツブツに切れます。

ゆでつづけていると、自然にほぐれてきます。ゆっくり待ちましょう。
伊勢古里屋の伊勢うどん 実食レビュー

熟した角のまるい、たゆやかな甘い香りの微粒子が器のうえに漂っています。
静謐な蔵のなかの暗闇で、ゆっくりと熟成させたような豊かな風味を醸しだしている醤油の香りが、こんこんと沁みだしています。
たれをなめると、豆から作られた醤油に、さらになにか炭水化物的な透明な旨味もくわえられているように感じました。
単一の旨味ではなく、複合的な旨味をかさねあわせ、味わいが立体的な醤油です。
甘味はベトベトとしてものではなく、あくまで謙虚で健やか。
長いあいだ熟成させるウィスキーのように、よぶんな水分が飛び、うどんにからみつくのに絶好の粘度です。

うどんは、日本一やわらかいといわれていますが、しっかりとお箸でつかむことができました。
けれども、うどんを手荒にあつかうとブチっとちぎれてしまいますヨ。
小麦畑の穂のように、こまかくゆらめくように柔らかい舌ざわりのうどん。
そのうどんの表面は、味わいの深く厚い醤油をしっかりと抱きかかえています。
うどんを舌にのせると熟しきった醤油の香りがたちます。
そして、うどんを噛むことで、陰陽のように、醤油の黒、うどんの白が口中で渾然一体となり二つのものが一つの味わいに転化します。
精白された小麦の甘味を醤油の塩がひきだしています。スイカに塩、おしるこに塩昆布のようなものです。
また、どっぷりと太い白いうどんです。もちゃもちゃと、よくコネたお餅のように湿潤に飛んだ味わいであり、口中に腰を下ろすように存在感がのこります。
醤油の風味はすぐには消えず、その白いうどんが口中から消失するまでしっかりと味わいをまとわせています。
うどんに跳ねるような弾力とコシはありません。けれども、白玉粉のような清純な甘味、そしてふとましい粘り気があり、よく噛むことで満腹中枢をしっかりと刺激しお腹はふくれました。

やわらかいうどんと、かたい根野菜の相性はよいものです。
シンプルなものから、バラエティーにとんださまざまなトッピングとあわせやすい正直なうどんだと思いました。