この記事は、tabeteのだし麺シリーズを食べた感想を書いています。
国産の素材をたっぷりとつかったと想像させられる風味と旨味を実感できるスープです。
どっしりとした和の国の味わいはある、けれども爽やかで淡泊。
さらりと飲みやすいスープたちでした。
とんこつも白湯も軽妙な飲み口でした。

冷やしで食べられる麺もあります。しっかりと背面を確認してください。
だし麺の麺

麺はしっかり、じっかりと乾燥させたらノンフライ麵。
てあらにあつかうと、折れやすい麺です。やさしくあつかいましょう。

ゆで時間は4分30秒です。
麺ぜんたいをしっかりとお湯につけないと、均一に麺をゆでられません。
麺をゆでながら、やさしく麺をほぐす、できるだけ麺すべてをお湯につかるようにしてください。
乾燥ワカメを水につけると、生ワカメのような食感になる。
おなじようにだし麺の麺も、まるでいま目のまえで茹であげられたような見ためと食感、口あたりになります。

舌のうえで、ウェーブする麺の形を感じられるほどに活きがよく滑らか。
ほそい、けれども、がっちりとした噛みごたえのある麺です。
麺はのびにくく、しっかりとグルテンが結合しています。
スープの味わいに負けない存在感を細い麺のなかにひそめています。

乾燥させらた麺は、量が少なそうに見えたことでしょう。けれども、茹でた麺はしっかりとふくらみ、食したあとの腹もふくらませてくれます。

とんこつの麺だけがちがいました。
針金のように、かちッとした軽快な食感。すこし麺の表面は溶け柔らかい口あたりです。
千葉県産はまぐりだし塩らーめん

はまぐりの大きな貝がひらき、ぷりんッとした肉厚のはまぐりの果肉の香りがします。
けれども、はまぐりの貝殻も果肉も見えません。夢幻のごとく姿は見えずとも、鼻と舌のうえでしっかりとはまぐりの姿を実感できます。
らーめんです。けれども、お上品で、白木のこしらえたお箸で、楚々として食したくなるノーブルな味わい。
料亭で提供される、うるしぬりのお椀にいれられた純白のおつゆによく似ています。ちがうところは、味わいと風味です。
はまぐりの存在感が、もっともっと厚く濃いところです。
そのはまぐりの旨味は巨大。けれども、おしつけがましくなく、ひかえめ。疲れることなくスープを飲みほせてしまうほどに淡泊、淡麗、淡旨。
麺をいれなければ、上等なはまぐりのお吸い物とまちがえるひともいる、だろうと思いました。
北海道産帆立貝柱だし塩らーめん

迫力いっぱいの乾燥帆立の旨味をふくんだゴージャスな塩スープ。
清潔な海の香り。
明るくて、海の底が見えるような清潔な海からたちあがる塩の香りを感じられる黄金色の塩スープ。
ホタテの貝殻を炭火であぶり、すこし焦がしたようなビターな香りもすこしあります。
脂はほとんど感じられません。お吸い物にちかい味わいです、最初は。
帆立があぶられ、じわじわと貝殻を開くように、貝柱の味わいが濃くなります。貝柱をダルマのように積みあげていくように旨味が高くなります。
そして、ホタテを焼いているときに、一滴、二滴ほどたらしこんだ醤油の香りも感じます。
ほとんど、帆立だけの旨味で勝負しているストロングスタイルの塩スープ。
比内地鶏だし醤油らーめん

雰囲気から違う、ワンランクうえの醤油のらーめん。
濁りも、雑味、臭みのひとかけらもない澄んで明るいスープ。醤油の香りは、色づけにすこしだけいれただけ。
黄金色のスープのなかには、地面をふみしめ、自由に歩きまわった先祖であるダイナソーにちかい鶏のパワーがあります。
わちゃわちゃした感じはなく、お上品、かつノーブル。コンソメなどにちかい味わいです。
中華をこえて、フレンチのようなエレガントさ。
あと、鶏だけでなく、乾燥させたキノコを2種類ほどいれた企みのふかい味わいもあるように感じられました。
北海道産甘海老だし味噌らーめん

甘海老をまるかじり。甘海老の風味と旨味を溶かしこんだ味噌。
赤い味噌がつかわれていると思いましたが、この赤色は、海老の赤でした。
はじめは淡泊な味わいです。白えびをいれた軽快なおかきのような味わい。
そのご、海老の脳をちゅッとしぼりだしたような海のエキスたっぷりのおつゆが口中にひろがります。
そして、海老の殻をあぶったような、こうばしい香りも感じられます。すこし苦味があり、後味さっぱり。
これは、味噌は、味噌でも、海老の脳味噌らーめんだったのです。
宮城県産わたり蟹だし塩らーめん

蟹の甲羅を日本酒でコトコトと煮たような旨みたっぷりの塩らーめん。
はじめのうちは、ソフトに蟹の味わいがひろがります。わたり蟹を食べたことがないのですが、甲羅と鋏をすこし炙ったような香りと風味。
飲みつづけるにつれ、甲羅からしみだしたミネラルをふくんだ澄明な塩分がつみかさなります。
硬質的に澄んだスープ。けれども、蟹鍋の終盤ほどの味わいがあり、黄金色のスープのなかに蟹が息づいているとしっかりと実感できます。
名古屋コーチン鶏塩白湯らーめん

鶏の味わいが、やさしく溶けだした口あたりがお上品なスープ。
白濁したスープは、まったく、ちっとも、これっぽちも嫌な臭いがしません。
白濁したスープ。すこしだけ軽い脂が浮いています。脂はくどくなく、さらりとしたものです。
口あたりは柔らかくマイルド。さらりとしています。
飲みつづけていると、すこしづつ鶏の旨味がNISAのように積みたてられていき、しっかりと濃いと実感できます。
おそらく、タマネギや青ネギなどの野菜もいれられていると思いますが、鶏一色といった白いスープです。
ほんのちょっぴり黒い胡椒の刺激があり、後味を爽やかなものにしています。
三重県産真鯛だし塩らーめん

ドーンと真鯛が跳ねる。スープから真鯛の澄んだ香りが飛びだしてきています。
真鯛のお頭と骨に天然ミネラルたっぷりの塩をふり、天日にあてすこし乾燥させたもの。
その干物のように旨味たっぷりといったお頭と骨をたっぷりの日本酒でコトコトと煮たような典雅な味わいです。
三重県と四国にかこわれた雄大な海でそだった赤い鯛のうまみをスープのなかに丸々おとしこんでいる充実した味わい。
残ったスープにそうめんや手延べうどんを加えても悦です。
この塩らーめんには、海藻がよくあうと思いました。
高知県産柚子だし塩らーめん

柚子の香りの魔法。黄色い高貴な香りは、淡泊なスープの味わいをお上品かつ、とうといものにしてくれます。
その柚子の香りは、裏庭にたわわに実っていた柚子をもいですぐに調理したように新鮮です。
口あたりは、さらり、はんなりとしており、すこしだけ動物的なゼラチンが溶けだしたような温柔なトロみがあります。
そして、柚子のしたには、昆布、そして鶏の骨、もしくは貝類のハマグリのような淡い旨味がすこしあります。
全体的な印象は、柚子で彩ったお吸い物といったイメージの典雅なスープです。
長崎県炭焼きあごだし醤油らーめん

全身に広がるトビウオの充実した風味。
しっかりと乾燥させたトビウオを炭火であぶったような香りが飛んでいます。
しっかりと頭と臓器をぬきとり、灰汁をしっかりととったスープに濁りと雑味、脂臭さはなく、すっきりとしたものです。
魚の主張を削りに削り、魚介だと舌と鼻に感じさせながらも、嫌味とクセがなく飲みやすいスープです。
和の雰囲気を醸しだしており、日本の郷愁にひびきます。
霧島黒豚豚骨だしらーめん

デリケートな豚骨。そのようなイメージです。
淡泊なんです。脂がすくなく、しっとりとした柔らかい味わい。
けれども、雑味や汚れ、汚濁をてっていてきに削ぎに削ぎおとした純白な豚の旨味はあります。
透明な味わいの豚。淡泊な口あたり、されども、しっかりと豚骨らしい味わいのある、二律背反なスープです。
疲れていても、体調が悪くても、食べられるかもしれない、それほどに淡麗な豚骨スープです。