コストコで売られている凄麺の『 ご当地ラーメン限定セット 』を食べた感想を書いています。
- 佐野らーめん
- 尾道中華そば
- 函館塩ラーメン
- 富山ブラック
- 博多とんこつ
- 横浜とんこつ家
ご当地のラーメンのスープと麺をそのままカップにとじこめたようなセットです。ご家庭にいながら、全国津々浦々のラーメンを食べ歩けます。

持ち運びに便利な取っ手つき。消費者のことを第一に考えてくれる会社の姿勢が見えます。

麺マニア垂涎の的であるノートつき。
凄麺の作り方は、かやくをいれる。あといれタイプのかやくもあります。
そして、お湯をそそぎいれる。スープをあとからいれ混ぜあわせれば出来上がりです。
凄麵は、ひとつひとつ麺をかえているように感じました。お湯をいれてから待つ時間がちがいます。
待ち時間もしっかりと確認しましょう。凄麵はのびにくいノンフライ麵です。ちょっと待ち時間をオーバーしても大丈夫だと思います。
凄麵のフタには、ちょっとした情報が書かれています。だれかに話したくなる情報は、ご自分の眼でご確認ください。
その①の記事はこちら。
その②の記事。
佐野らーめん


醤油のくっきりとした香り、そして、豚の脂の風味を感じます。
麺が見えるほどに澄んだスープには、こまかい脂の粒と青いネギが浮いています。
凄麺シリーズすべてにあてはまるのですが、もうすこしネギのフレッシュ感があれば。
スープを飲んでみると、白い陶器のように流麗で、額縁にいれた絵画のようにくっきりと、明るく白い硬質的な旨味をしっかりと感じます。
豚の脂の香りと脂は浮いています。ところが、スープの口あたり、後味はすっきり、さっぱりしているのです。
スープの風味が、うすい、シャバシャバというわけではありません。
青いネギとタマネギの茶色い皮を煮たような風味。ニンジンとニンニクを煮たような甘く深い旨味。
そして、豚はいれられていると思います。さらに、魚介類の旨味もあると思います。カツオではなく、昆布のようにさっぱりとした魚介系の風味のように感じました。
旨味の水平線のかなたが見えそうなほどに、奥行がある味。それでいて、おしつけがましくない楚々としたお上品なふるまい。
スープの完成形のひとつではと思いました。
メンマはやわらかく、チャーシューは甘め。

麺は幅広タイプです。くっきりとした旨味をふくんだスープがよくからみつきます。
麺の中心部は、熟成させ水分をぬいた麺のように半透明。
麺と麺がからみつき、からみついた麺をお箸で強引にぬくと、麺の端がぶりんッと跳ねるほどに活きのよい麺です。
幅広です。けれども、野暮ったくはなく、つるつるとすすれます。
尾道中華そば


硬質的なミネラルをふくんだ角がぴんッとたった醤油の香り。
そして、その醤油に豚バラをつけこんだような香りもあります。
スープは、醤油をすこし炙ったようなビター・苦味があり、すっきりとした口あたりです。
醤油の強い旨味がカーンっと口中にひろがり、醤油の波がひくとどうじに、常温で溶けるような軟らかい豚の脂の甘味が歯茎にしみわたります。
豆腐のようにみえる物体は、歯や舌でさわると溶ける旨味の塊。おそらく豚の背脂だと思います。
白い豚の旨味の奔流がふきだしました。

豚の脂にコーティングされ、つるつるとすすれる麺。噛むと一本一本の麺に芯がとおっています。
麺の弾力とコシは、豚のオイリーな旨味をふくむ強い味わいのスープに負けていません。
豚の脂のひいたあとに残った麺を噛んでいると、小麦のあえかな甘みがポッと浮きでてきます。
函館塩ラーメン


なんの香りはわからない。
鶏か豚、たぶん、鶏よりのあっさりとした肉的な香りがあります。
肉系の香りだけでなく、海鮮食品の香りもあります。昆布と、なにかの貝の風味だと思います。
かぎりなく雑味を削りきった肉と海の香りを精妙なバランスでまとめている塩スープ。
スープを飲んでみると、ほのぼのと淡い潤味。
尖ったところがなく、さらりと流れるスープ。
脂ぽっくはなく、上海などで提供される海鮮たっぷりの上等なスープのように感じられる。
海鮮物をかわかしたもので澄んだ出汁をとり、ひとつの濁りもない鶏肉、もしくは豚肉を混ぜあわせた旨味を二重にしたスープは、淡泊な見ための塩スープなれども、味わいは深く厚い。
チャーシューとメンマは、酢がはいっているのか、紅ショウガのように酸っぱい。

細く、ウェーブした麺は、噛むとガチッと音がしそうなほどに食感。愚直にして硬骨、きびしい函館の吹雪のように激烈な弾力とコシ。
麺をよく噛む、海鮮と肉をあわせた淡麗なスープを飲むだけでなく、噛むように味わえるのです。
富山ブラック


黒胡椒。それもテーブルに置いているやつと、果肉をすった、ふたつの強烈な刺激が飛んでいます。
そして、ブラックコーヒーと見間違えるほどに漆黒のスープ。
スープのしたの麺が見えません。ちなみに、もたもた食べていると、黄色い麺すら黒くそまります。
黒一色。黒の協奏曲。黒く尖ったラーメンです。
スープを飲むと、血圧がぴんッとあがるほどにヘビーな醤油の味わい。
ドライともいえる鉱物的なミネラルをふくんだ、指ではじくとキンっと澄んだ音をたてそうな黒いスープの味わい。
醤油の味わいだけでなく、おそらく黒い液体のしたには、なにかしらの旨味があるとは思います。
ただ、醤油とコショウの刺激が強すぎて、なんの風味なのかを判断できず。
チャーシューが、めちゃくちゃ甘い。おそらく、ふつうの味付けのチャーシューだと思います。それでも、砂漠のオアシスにわく清水のように甘露に感じられるのです。

黄色い麺には、しっかりと黒いスープがからみつきます。
歯が弱いひとは、麺を噛みきれない、それほどにしっかりとした食感の麺です。
博多とんこつ


ゴマを、いま、ここで、目のまえですったような、かんばしい香りが強いです。
麺が見えないほどに白濁したスープ。いがいにも豚の香りは弱いです。
青ねぎの青い部分、タマネギの爽やかな香りが漂っています。
スープを飲んでみると、優雅とも、典雅ともいえるエレガントな口あたり。
嫌みがなく、臭みもなく、貴族や王族のように楚々としたお上品な風味。
フレンチ料理のポタージュに通じるものがあります。
白米をけずりに、けずり、辛口の日本酒を醸造するように、豚の雑味をけずりに、けずりとり、純白ともいえる豚肉の純に旨い部分だけを抽出しています。
だれでも食べやすく、飲みやすい王道といったとんこつスープ。
そのスープの味わいは、百豚の王。

麺は、そうめんを3本ほどかさねたような、しっかりとした食感です。2分待つように書かれています。
2分だと、硬めに分類されると思います。
柔らかいのが好きひとは、しばらく待つとよいでしょう。
横浜とんこつ家


甘めの醤油の香りがただよっています。
野沢菜、広島菜のような熟成された青い香りもあります。
そして、3枚の海苔のこうばしい香り。海苔は、パリパリっと軽快な音をたてます。湿気っていません。
スープは飲みやすいです。甘めのしょうゆの香り。けれども、スープを飲むと、口あたりはさらり、はんなりとしている何か懐かしい味わいです。
豚肉の風味はひかえめ、脂もこってりとしていません。
スープを飲んでいると、ぐびぐび飲めるんです。塩分さえ気にしなければ。
何かに似ていると、考えていると、みそしる、いや、具をたっぷりといれたけんちん汁や芋煮。
豚肉とたくさんの野菜を煮て、醤油で味をととのえた、ほっくりとした味わいの汁物によく似ているなと思いつきました。
スープを飲みつづけていると、豚の脂の旨味をしっかりと濃く感じられるようになります。

麺は見ための厚み以上に、しっかりとした歯ごたえを感じられます。
麺の表面は、舌のうえをつるりと横すべりするほどに滑らかです。
前歯で麺は切りやすいです。しかし、歯の面で麺を噛むと、グルテンがスクラムを組んだ歯ごたえのある弾力、コシをたのしめます。
凄麺『ご当地ラーメン限定セット』を食べた感想【 まとめ 】
凄麺『ご当地ラーメン限定セット』は、ご当地に行くことなく、ご当地で食べられるような麺を食べられます。
お湯をそそげば、お家がご当地。
多種多様な日本のラーメン文化を堪能できます。
揚げていない麺は、まるで生麺です。
1食240円ほどでした。