この記事は、日清もちっと生パスタを食べた感想を書いています。

世はまさに、冷凍生パスタ戦国時代。そのなかで最強の一角と呼びごえたかく、売り上げも高い冷凍生パスタシリーズ、それが日清もちっと生パスタ。
実店舗の生パスタを提供している店が、ぞくぞくと閉店しちゃうんじゃない、それほどに完の成度が高い一皿です。
乾パスタでは、けっして味わいえない、むっちりと張りきったグルテンの躍動。
レトルトらしい嫌らしい匂いはなく、あくまで自然なソースの味わい。
そのプロがつくったような生パスタの作り方はシンプル。
冷凍庫からとりだし、パッケージを破り、透明な袋にいれられた生パスタとソースをとりだす。そして電子レンジにいれ調理するだけ。
気をつけること、それは、袋の表と裏。かならず、こちらが上と書かれている面をうえにし調理しましょう。さもなくば、最悪、爆発しますゾ。
海苔がはいっている生パスタは、海苔の袋もとりのぞいておいてください。
そうそう、生パスタを食べきっても、パスタソースがお皿にのこります。モッタイナイと感じられるかたは、フランスパンなどを用意しておくとよいでしょう。
おいしくパンを食べられるだけでなく、洗い物もへります。パスタだけでなくパンもおいしく食べられ、洗い物もへる、さらに調理器具を洗う必要もありません。
冷凍庫からとりだせば、いつでもおうちがイタリアンレストラン。

完熟トマトのソース

トマト、それも赤く熟したトマトを10個ほどミキサーにかけ(ていねいに種はとりさる)、鉄のフライパンにいれたのち弱火でじっくりと水分を飛ばしたような香りと粘度のソースです。
トマトのリコピン酸のうまみがしっかりとあり、太陽のエネルギーをたっぷりと吸収した赤い旨みと、ほんのりとしたトマトの自然な酸味があり、旨味を実感しつつ、あとあじさっぱり。
トマトの酸味のほかに、白ワインのアルコールを飛ばしたような風味もあるように感じました。
乾燥させ香りをひきだした緑のハーブも爽やかな分子を放射しています。
唐辛子のイラストが描かれています。けれども辛さはひかえめ。

パスタの幅は、乾パスタにくらべると太い。けれども、このシリーズのなかでは、もっとも細い生パスタです。
そのかわりに厚みがあり、しっかりとパスタソースがからむように感じます。
パスタの表面は、かたくり粉やタピオカ粉をくわえたように滑らか。
冷凍してる、電子レンジで調理しても、しっかりと生。ゆでたての生パスタのように充実した弾力とレジスタンスな歯ごたえの生パスタ。
また、パスタを噛んでいると、小麦がもつ滋味があり、さらになにか小麦のほかにあるあえかな旨みも感じられます。
生パスタを歯で噛むたびに、赤いトマトの旨味と白い小麦の風味が混ざりあい新しい味の地図を口中に描きだします。
具は赤と白が混ざりあった海老。そして噛むと火傷しそうなほどに旨みたっぷりのエキスを放出するなすび。
牛挽肉とまいたけのクリーミーボロネーゼ

本格的な洋食屋さんにはいったときに、ただよっている香り、そう様々な具材を寸胴鍋でコトコトと煮つめてつるくデミグラスソースのような香り。
本格的洋食屋さんで提供される一皿そのもの。
牛肉のエキス。骨の髄あたりをゆっくりと煮つめたゼラチンたっぷりの旨味。そして、香味野菜、ニンジンやタマネギ、ニンニクのみじん切りの水分を飛ばしきった凝縮された風味。そして、ほんのりと生クリームをくわえたような複合的で立体的な味わい。
優雅に赤ワインをかたむけながら食べたくなる典雅なパスタ。

パスタは幅広。しっかりとしたパスタの角はぴんしゃんしており、がっしりとマッチョな噛みごたえがあり、パスタの厚い旨みをがっしりと受けとめる度量があります。
牛肉とキノコ、神が産みだした至高の組みあわせのひとつ。牛の味わいを、キノコの玄妙な旨みが補強します。
海老とほうれん草のトマトクリーム

トマトというよりも、海老パスタ。
それも海老の頭を指でちゅッとしぼり、ふきでる海老のミソをたっぷりと煮つめたこうばしく満ちたりた香りがただよっています。
さらに、海老の軽快な甲羅にコゲめをつけたような小粋な香りもあり。
トマトもクリームもはいってはいます。存在は感じます、ただもう隠し味です、トマトとクリームは。

海老の濃密な味噌99%でつくられた、そのように感じるほどに迫力いっぱいの海老の香りと旨味が元気に飛んでいます。海老の味噌が、このパスタの味わいのミソってね。
パスタの表面をおおっている、舌の味蕾をとろかすような艶のある海老の柔らかでしなやかな旨み。
しっかりと冷やした白ワインや炭酸水と一緒に食べたくなる贅沢なパスタ。
きざみ海苔の入った明太子クリーム

お店で注文するとお札一枚は請求されそうな見ためのパスタ。
もちろん、お札一枚もしませんよ、冷凍パスタは。
明太子と書かれています。けれども、唐辛子につけるまえのタラコの淡い風味と優しい乳製品の香りが充満しています。

おそらく、おなじ生パスタだと思うのですが、やわらかいクリームソースをまとった生パスタの食感は、心地よくびらびら、ぬらぬらとしており、刀削麺などによく似た軽妙な食感です。
北海道のでっかいどうな草原で育った牛の乳を熟成させた甘い香りに舌がなれた瞬間、ちいさい赤い暴れん坊な辛さが突出してきます。
けつこう、そこそこ辛いです。ちいさいタラコ、けれども、辛味をしっかりと主張してきます。
生クリームの海を明太子がころころと泳いでいると感じらるほどに、たっぷりの明太子がいれられています。
明太子パスタの王道にして鉄板な味わい。
ほうれん草とベーコンの濃厚カルボナーラ

黄色のハードタイプのチーズと、白くソフトタイプのチーズを混ぜあわせたような濃く厚い香りがただよっています。
そして、鶏卵のもっとも充実した味わいをもつ部分をくわえトロミをつけています。

ふしぎなことに、マイクロウェーブをあびせ、ぐらぐらと分子を沸騰させたはずが、プロがつくりあげたカルボナーラのようにとろんとろん。
やわらかく、艶があり、すこしねっとりとした色気があり、この味わいを家でつくりあげるのは至極困難、熟練のシェフの技量がもとめられます。
単純な料理ほどむずかしい、そのパスタソースを電子レンジで作れるようにせしめた日本企業の努力、あっぱれ。
ファミリーなレストランのパスタよりも、しっかりとチーズの風味が活きており、勃起しており、ふくよか。そして、しなるような健康的な卵の味わいがつるりとすべる。
ベーコンはしっかりと塩蔵したように水分がぬけ肉質がっちりとマッチョ。そして噛むと淡泊な豚の脂がじんわりとしみでてきます。
ほうれん草の苦みが消えるほどに、たっぷりのチーズと卵の包括的なうまみ。
ただ、個人的には、親の仇ぐらいに黒胡椒をもっとかけてほしかった。
たらことうにのソース

純潔なうにの香りあります。それも軍艦巻きにのせるうにを10個ほどいれたような贅沢な官能をよびおこす黄色い波濤をかんじます。
うにを食べたくなった、電子レンジにいれ調理すればいいんです。それだけで、うにたっぷりの香りにめぐりあえます。
うに8割、たらこ2割といった香りの割合です。

うにのトロ箱をもちあげような気品のたかい香りがもちあがりました。
乳製品の下あじのうえに、海がつくりあげた天然バターであるうにを溶かしこんだソースがつみあげられています。
うにの磯臭さは、アクセント程度におさえられています。うにが苦手なひとでも食べやすいかと。
殻をあけたばかりといいたくなるとろーりとしたうにの旨味がこぼれおちます。
生パスタまでもがうにと化したような、全身にひろがる官能的なうにの妖艶な旨み。
うにを食べたくなったら、このパスタ。贅沢な味わいをリーズナブルなお値段でたのしめます。
きりッと端正な味わいの白ワインや日本酒といただきたいパスタ。
