マルニ食品の井出商店監修 和歌山中華そばを食べた感想を書いています。
濃厚、濃密という単語は、和歌山中華そばのためにあるといっても過言ではないほどに強烈な印象をのこすスープ。
脂が楽しそうに浮いているスープにひたりこんでいるやわやわな甘い麺。

鍋ひとつで、和歌山中華そばを作れます。
冷凍庫からとりだし、鍋にいれ火にかけます。下部に冷凍したスープの層がありまりますので焦げません。

あとは、いい塩梅に麺をゆであげれば出来上がりです。
井出商店監修 和歌山中華そばは、生協で注文しました。
注文さえしておけば、おうちまでえっほ、えっほと運んできてくれます。
いそがしくて買い物にいけないひとも、太陽が熱くて蜃気楼が出現するような道をさまようことなく、本格的な和歌山中華そばをおうちで堪能できます。
井出商店監修 和歌山中華そば 実食レビュー

香りは、醤油がまさっています。
白いとんこつのキャンパスに、黒い醤油をたらしこんだような色のスープ。そのうえに、陽気でごきげんな脂が踊っています。
脂が跳ねると、スープから濃密な香りが陽炎のごとくたちあがってきます。醤油を焦がしたような豊かな香り、そのしたには豊熟した豚の白い香りあり。
濃密なスープを口にふくむと、あれ、醤油というよりも、味噌にちかいゾと感じられました。
たっぷりの味噌を少量のだしで溶いたような、ねっとりと豊満な舌ざわり。
豚骨と醤油が合体することで、味噌のように熟した味わいになっています。
醤油と味噌を混ぜあわせたものを炭火で炙ったような原始的で爆発的に、和の食欲にうったえかけてくる風味。
その熟した黒い風味のしたには、まるでラードが固体化したようなマッチョで湿潤な豚の脂、それも関節部分を煮こみたおした、ゼラチンやコラーゲンたっぷりといいたくなる脂の層が顕現します。
醤油と味噌の発酵した旨み、豚の天然成分の脂の風味が、交互にやってきて、舌の許容範囲をこえるほどの濃密、豊満、膨大な旨みにおぼれてしまう、口が水を欲するほどにパンチ力のある味わいのスープ。
その濃度のたかいスープを味わうと、脳みそからジンワリと漏れてはいけない神経物質がこぼれだし、恍惚とした気持ちにいたれます。
一口飲めば、はまる人を底なしの醤油と豚の沼にひきずりこむ魔味をもつスープ。

細めのストレート麺。こってりとしたスープが麺化したかのように、柔らかく、噛むたびに高野豆腐のように、スープが吹きだしてくる麺。
麺を食べているのか、スープを飲んでいるのか、スープに酔っている脳では判断できなくなる不思議な魅力にあふれかえっている稀有な麺です。
豚のチャーシューは、濃密なスープのうえに浮かんでいるおかげなのか淡泊な味わいです。
生姜焼きのように、しっかりとした噛みごたえです。
噛みごたえといえば、メンマ。濃いスープ、柔らかい麺のなかで勃起しています。ぼりッと音が聞こえるほどに、しっかりとした食感をのこしています。
花は、ちゅるりと心地よくすすれました。
豚骨と醤油をあわせると、白と黒を混ぜたパンダのように、和歌山にひとをひきよせる蠱惑的な味わいのスープになる、そのスープのために濃密という単語は作られたと感じられたほどにこってりとした唯一な味わい。
