この記事は、氷見うどん 美濃屋の乾うどんを食べた感想を書いている記事です。
日本三大うどんにも数えられるうどんを自宅で愉しめます。
塩をばっちりときかせた氷雨のように細く五月雨のようにながく、滔々と口をすべる印象は清風。
しかし、うどんを噛むと、がっしりとした歯ごたえ。
手で延ばした伝統を感じられる見ため。
ふとい幅のうどんと細いうどんの食感の対比は、うどんの玉手箱といえる驚きがあります。
氷見うどん 美濃屋実食レビュー

そうめんを三本ほどの太さと厚みだと思いました。
瑕疵ひとつない大理石のような麺の表面は、まさに完璧の名をかんするにあたいする典雅さ。
麺の長さは25~30cmほどあります。乾うどんとしては、長い部類にはいると思います。
うどんは長い、しかし、すすっていて、まったく、ちっとも、すこしも疲れません。

氷見うどんの口あたりは、氷が平らなところを移動するがごとし。
氷見うどんは、ほそい。しかし、噛むとごっつい食感です。
噛んだ歯に負けるものか、と踏ん張っている気骨を感じるほどです。

原材料に油が書かれていません。そうめんの滑らかさ、腰の強さは、油由来と聞いたことがあります。
油をぬらずに、うどんを延ばす職人の技術におどろかされます。
氷見うどんの食感は、そうめんよりも強いのではと思いました。
氷見うどんのなかに、天使の髪とよばれるパスタを一本一本いれたかのように頑健な噛みごたえ。
猫化の肉食獣のようにしなやかな噛みごたえ。
噛むと、海水を乾燥させつくったようなミネラルたっぷりといいたくなる塩の風味が、爆発します。
麺つゆは、ちょっぴりでいい、それほどに、しっかりと塩をきかせています。

熱々のお湯だけでも食べられる、むしろ、そのほうが小麦がもつ純白な風味を舌の味蕾でしかと感じられる、氷見うどんのもっとも通な食べ方かもしれません。
たまに、ふとい食感があり、きしめんのように悠遊とした、ほのぼのとした口当たりを感じられます。
洗練だけでなく、歯車に遊びをもたせている余裕のある、時代に流されず、それでいて綿々とうけつがれていく悠然としたうどんだと思いました。