いだ天 吉田のうどん 富士吉田名物 つゆ付 3人前を食べた感想を書いています。

つゆ付です。お湯をわかし、うどんをゆでるだけで、日本一かたいうどんをおうちで愉しめます。

手に、うどんを持っただけでわかります、こいつ、かたいゾと。
ふつうのうどんよりも、むっちりと粉に圧をかけて、おしかためたような、まるで雪をかためて像をつくったような充実度です。
ゆで時間で、うどんの硬さは調整できます。
いままで、数々のうどんを食べてきました。たしかに、日本一かたいという形容に誇張なし。
口あたり歯ざわりは滑らか。食感は、まるで白い鉄骨。
富士のちかくまで移動することなく、おうちで日本一かたい吉田のうどんをすすれます。
お値段は、つゆ付で500円ほどです。富士のちかくまで車や電車で行くことを思えば安いと思いました。
いだ天 吉田のうどん 実食レビュー

うどんの太さは1㎝ほど。厚みは5㎜ほどです。長さは20㎝ほど、うどんとしては短いと感じました。
お箸そのものが沈むこむような、ズっしりとした重さがあり、お箸の先端が風にゆられる竹のようにしなるような圧があります。
吉田うどんは見ためよりも、ドっしりとした歯触りです。
うどんの食感そのものは、滑らかではあります。つるつるとすすることができます。
ただ、滑らかではあるものの、うどんそのものが重いのか、舌のうえをゆっくりとうごめくと形容したくなる迫力あるすすりごこちです。
うどんを歯で噛むと、神経がとおっていないはずの歯でも、うどんの角が、ピンシャンと切りたっているのがわかるほどに煮崩れていないうどんです。
うどんの芯に歯がむかうほどに、粉の密集度がたかまり、白玉粉のように、懐がふかく。粉がスクラムをくみ、歯の侵入をはばもうとする歯ごたえがあります。
アルデンテというよりも、アルンデター、アルデンテスト、アルデンテの最上級といいたくなる歯ごたえです。
圧縮された小麦の層を噛んでいると、その層はゆっくりとほどけ、じわじわと小麦のほがらかな甘味があふれてきます。
うどんが口のなかにのこる、だからこそ、小麦がもつ自然な滋味をしっかりと体感できます。
うどんを噛みちぎると、ふつうのうどんは跳ねます。吉田のうどんは、噛みきってもどしりと舌のうえに鎮座したままです。うどんの重さゆえに、跳ねることができないのです。

吉田のうどんは、野菜をトッピングとしていれます。うどんと野菜をいっしょに食べる、そして、どうじに噛みだす。野菜がなくなっても、白いうどんはまだ口のなかに残っています。
それほどに噛みごたえがあり、消えはてない粉の集結具合です。
たくさん噛むことで、満腹中枢が刺激され、すぐにお腹いっぱいになるうどんともいえます。
半日たっても、どっしりと小麦の重さが胃にのこっている、それほどに存在感のあるうどんです。

吉田うどんは、冷やしでも食べられます。
ただ、ふつうのうどんとちがうところは、冷でも食べるのにパワーが必要ということです。
うどんをすすり、噛みあげてやるという元気と意欲が必要であります。
暑い日とか、汗をかいちゃいそうなぐらいな吉田うどんの重さです。
つゆの味は、すっきりとした味わい。ちょっと甘めです。
ふわふわのカツオ節と厚節、どちらもつかったような複合的なカツオの旨みがあります。
あとは、シンプルに昆布などでとったオーソドックスな出汁。
そこにミリンと日本酒をたっぷりいれ、すこし砂糖もくわえているかもしれません。
醤油のマギマギした匂いはひかえめ。おっとりしたつゆです。

吉田うどんは、独自の調味料をいれることでも有名です。
つゆは、日本建築のようにそれだけで完成しておらず、あなた好みの調味料をいれることで味が完成するそのように余裕のあるつゆです。

個人的には、吉田うどんはカレーで食べるのが好きです。
なかなか味はしみこみませんが、しっかりと煮こみ、白いうどんを黄色く染め食べるが好きです。
カレースパイスの芳醇な香りにけっして負けない、吉田うどんの堅牢さ、そして白い小麦の甘味。
黄色と白色が、口のなかでつなひきをし、最後にのこるのは吉田うどんの白です。
ちょいとカレーの味のしみこんだ吉田うどんの味わい。カレーにそまりきらず、小麦がもつ味わいをしっかりと放出しています。